こちらのページでは、業者に文字起こしを依頼する際の注意点についてまとめてご紹介します。
文字起こしを発注する場合には、文字起こしの種類を事前に決めておく、ライターが書きやすいように資料、用語集を準備するなど、気を付けたい点がいくつかあります。
ここでは発注時のポイントを記載しますので、参考になさってください。
会議資料や、講演会の内容がわかるもの、インタビューの目的など、音声テープの内容に関わる資料があることで、テープ起こしの精度が変わってきます。
また、言葉の意味が分かる用語集などがあれば、なおよいでしょう。
特に専門性が高い内容のテキスト化であるならば、用語集がないと、正確な文字起こしは難しいものです。
納品後の手直しの手間を考えれば、事前に資料などを用意するのは賢明といえるでしょう。
どのような状態で起こしてほしいのか、例えば、「ケバ付き」か、「ケバ取り」か。「整文をする」のか、「整文をしない」のか、「要約」までやってほしいのか、テキストの納品時の状態を確認しておきましょう。
その際、テープ起こしした資料をどんな用途で使うのかを考慮に入れ、発注するようにしましょう。
納品されてから間違えたのがわかっても後の祭りです。後から修正を依頼しなければなりません。
会社のサイト内で出来上がりのテキストサンプルを確認できる会社もありますし、テキストの状態を詳細に記載してくれている会社もありますので、会社のサイトなどにも目を通し、何をどこまでできるのか、を事前に確認はしておくと安心です。
なども発注時に依頼しておければ、希望に沿う、よいよりテキストデータが手に入ることでしょう。
テープ起こしにおいて、秘密保持というのは切っても切り離せないものです。
もしも、情報漏洩のトラブルが起こってしまった場合、企業の存続問題に発展しかねません。1度でもそのようなことが起こってしまうと取り返しがつきませんので、注意する必要があります。
そのため、テープ起こし業者を選定する際には、その企業の秘密保持契約についての姿勢を確認しましょう。
2003年に「個人情報保護法」という法律が制定されました。
テープ起こしを含めた、どのようなビジネスにおいても、情報管理の徹底は必ず行う必要があります。
「秘密保持契約」とは、企業間で「これから業務上で知り得た情報は、他には漏らしません」という、約束をするということです。
また、秘密保持の契約をするにあたり、ほとんどのテープ起こし業者が締結しているのが「NDA」という秘密保持契約です。
企業などが共同で事業や研究開発を行う際、お互いの情報を開示しなければならないことがありますよね。ですが、いくら相手企業が信用できそうだとしても、何が起こるかは分かりません。自社の情報がもし漏らされてしまえば、企業にとって大きな損失になってしまう可能性があります。
そんなときに、「NDA=秘密保持契約・守秘義務契約」の締結をすることで、情報漏洩へのリスクヘッジができます。
というのも、法律で決められている「営業秘密」の該当性を認められるハードルはとても高く、秘密管理性、有用性、非公知性の全てを満たさないといけません。
それらを満たさない場合には、法律により保護されることが無いため、もし損害を被っても泣き寝入りするしかありません。
そのようなリスクへの対策として、企業間の契約を結ぶことは有効な手段になるため、NDAの締結は情報提供側にはメリットになるのです。
ただし、NDAを締結したからといって、必ずしも秘密が守られるとは限りません。現場の社員がその情報の重要性を理解しておらず、情報を流出させてしまう可能性があるためです。
昨今では、SNSなどインターネット上での情報流出がニュースになることも増えており、秘密保持に対する意識を全社員に浸透させる必要があります。
情報流出のトラブル回避については、次項にて触れていきます。
情報流出は一度してしまうと企業の信用問題に繋がったり、今後のビジネスチャンスを逃してしまうなど致命的なダメージを被ってしまいます。
そのようなことを避けるため、またいざ秘密保持契約が破られてしまった時のためにおさえておくべき点は以下の通りです。
上記4点について、一つずつ具体的にご説明していきます。
秘密保持契約といっても、決まった条件があるわけではありません。企業によって「秘密保持」のニュアンスや、守りたい情報は変わってくるためです。
個人に置き換えて言えば、例えば「かつらを被っている人」がいたとします。その本人にとって、「かつらを被っていること」は、絶対に知られたくないことでしょうか?
それは個人によって異なりますよね。かつらを被っていることをネタとして笑い飛ばせる人もいれば、反対に、誰からも知られたくない人だっているでしょう。
このように、「知られたくないこと」というのは個人や企業によって異なります。
ですので、事前に、お互いの秘密管理体制や運用方法、秘密にしなければならない内容を具体的にすり合わせておく必要があります。
また、契約終了時に記録媒体を破棄・返還するのかについてや、契約終了後も秘密保持の義務は続くのかという点についても言及しておきましょう。
ネットにある雛形を使ったり、以前のクライアントから提示されたものを流用することは避けるようにします。
理由は2つあり、まずその企業や事業内容、研究内容によって、守るべき情報は異なります。これについては先ほどお伝えした通りです。
もう1つの理由としては、自分たちが秘密を提供する側なのか、それとも受け取る側なのかによって、秘密保持契約に対して取るべき姿勢が変わってくるためです。
先ほどの例を絡めれば、もしあなたが「かつらをしていることを秘密にしてほしい」側だったとします。
その場合、相手にはどうしても秘密を守ってほしいと思いませんか?出来るだけ、情報が漏れないように管理を徹底してほしい、というのが本音のはずです。
加えて、その秘密にしてほしい内容が、例えば他人に迷惑をかけることだとしたら。その相手にとっての損失にも繋がってしまいますので、リスクは極力避けるべきですよね。
つまり、情報を提供する立場は秘密保持契約に対して厳格になる立場であるということ。
企業の「宝」である情報を託しているのですから、管理を徹底してもらうのは当然と言えば、当然かもしれません。
また、反対に、情報を受領する側は、管理責任や運用の負担を減らしたいものですよね。
いつトラブルが起こり、情報事故が起こるかも分かりませんし、情報管理が厳しければ厳しいほど、社員への負担=人件費・時間コストにも影響してきます。
そのため、情報を受領する立場である場合、なるべく負担がかかりすぎないように調整をする必要があります。
もしも情報流出があった場合には、損害を受けた側は損害額を具体的に立証することが義務付けられているのですが、「情報が漏れたことによる損害額」は、非常に抽象的なものです。情報って、高級車や骨董品と違い値段がつけられません。
いざトラブルが起こった時に、その損害額を立証することは難しいことで、場合によっては裁判所から認めてもらえないこともあります。
そのような事態を避けるためにも、事前に秘密が漏れてしまった時の損害賠償額を決めておけば、損害賠償請求がスムーズかつ確実になります。
このページをお読みの方は、どちらかといえば、「情報を提供する側」であると想像しますが、もしも受領する立場になる場合には、秘密保持契約内容にそった情報管理を行う必要があります。
先ほど、SNSでの情報流出について触れましたが、知識のない社員が悪意無く情報を漏らしてしまうことも可能性としては十分にあり得ます。社員への教育という観点からも、秘密保持を徹底しましょう。
ここまでご紹介してきたように、企業同士が業務提携を結ぶ場合、秘密保持契約は重要なものになってきます。
テープ起こしにおいては、その性質上、外部に漏れると困る情報は山ほどあるはずです。万が一のトラブルを防ぐためにも、依頼を考えているテープ起こし業者の秘密保持契約書や誓約書は必ず確認しておくようにしましょう。
業者によっては、より具体的に情報管理の運用方法を明記している企業も多くあります。
「個人情報保護士」や「情報セキュリティ管理士」が在籍している企業などもあるので、貴社の情報管理をどれほど徹底してくれる企業であるかの判断基準として、参考になさってみて下さい。