このページでは、テープ起こしと速記の違い、それぞれの特徴などについて紹介しています。テープ起こしと速記は、出来上がる原稿に決定的な違いはありませんが、それまでの過程に違いがあります。それぞれのポイントを押さえて、臨機応変に使い分けることが大切です。
速記は「速記符号」を使用し、その場で聞き取った言葉を文字にしていく作業です。その場で言ったことをすぐに文字に起こせるスピード感が大きな特長となっています。
テープ起こしは、会話の内容を録音したものを後で聞き取り、文字に起こす作業です。かつてはカセットテープに録音していたので「テープ起こし」と呼ばれていますが、今はICレコーダーやスマートフォンなどで録音されたデータから文字を起すのが一般的になっています。
速記のメリットは、その場ですぐに文字起こしができるスピード、そして録音不可の場所でも対応できることです。より臨機応変に、スピーディーな対応をしたい場合には、非常に効果的なものだと言えるでしょう。
一方で、速記は特殊な符号を使って書き起こすため、できたものは速記ができる人にしか読めないものとなっています。そのため、速記したものを通常の日本語にリライトする作業が必要です。また、速記という特殊なスキルを持った速記者を手配するのも手間になります。
テープ起こしは録音データさえあれば文字に起こせるので、現場に担当者を連れて行く必要がありません。また、何度でも聞き直せるため、より正確性の高い文字起こしができます。
一方で、テープ起こしの場合、録音不可の現場には対応ができません。また、録音に失敗していれば仕事そのものが成り立たなくなる可能性があるため、注意が必要です。
速記は、まず現地で速記者が話の内容を聞き取って「速記符号」で記録します。基本的には手書きでの作業となります。その後、持ち帰った速記原稿を速記者本人が読み取った上で、パソコンを使って一般的な文章に直していきます。
テープ起こしは、現地で録音担当者がICレコーダー、スマートフォンなどで会話の内容を録音します。その際、別途資料などを入手するのも仕事の一つです。またテープ起こし担当者が、現地に行く場合もあります。その後、録音したデータと資料を整理した上で、テープ起こしの担当者に渡し、作業指示を出します。その後、担当者が書き起こして文章にまとめます。できたものについては、録音担当者や校閲者が音声データと照らし合わせ、細かい修正を入れて完成度を高めていくのが一般的です。
テープ起こしと速記は、文字を起こすまでの工程がそれぞれ違います。しかし確かな技術を持った業者に依頼すれば、テープ起こしでも速記でも仕上がりに大きな違いはありません。そのため文字起こしを依頼する際は、現場や納期、条件などに応じて、どのような方法が適しているのかをしっかりと把握し、それに即したスキルを持つ業者を手配するように心掛けましょう。